医療法人ウッドメッド会 森永上野 胃・腸・肛門科

 当院の主張  > 記事詳細

国会要請行動に参加して

2007.01.21

                     森 永 博 史(もりながひろし)

 

 

 さる10月26日(木)に、衆議院議員第一議員会館にて、リハビリテーション日

数制限反対を求める国会内集会に参加し、合わせて県選出国会議員との懇談を致しまし

たので、その報告をさせて頂きます。

 東京大学名誉教授で、免疫学で高名な多田富雄先生の、自己の脳梗塞リハビリの模

様が、昨年の暮れにNHKで放送され、不自由な体になられても懸命にリハビリに励み、

機能を少しづつ回復しながら、執筆活動・創作能の演出をされる姿には、感動し、皆

さんの中にもご覧になられた方も多いかと思います。しかし、それから数ヶ月後に、

このリハビリ改悪の報が流れました。その後の先生の朝日新聞、文藝春秋への記事の

影響もあって、リハビリ日数制限反対署名は、たった一ヶ月で40万人を超えていま

した。保団連でも、それに連動して、反対署名運動をしておりますが、今回は、患者会

の代表の方々にも議員会館にお集まり頂き、国会内要請行動を行ったものです。マス

コミの関心も高かったようで、超満員の会場で、患者会の皆さんの悲痛な叫びが、少

しでも届けば良いがと思ったことでした。翌日の新聞やTV・ラジオでも報道がかなり

されていたようです。

 私たちは、県内会員の療養病床の廃止・削減の中止と患者負担増の中止等を求める

請願署名(松野頼久氏より提出)と自主共済制度存続のための保険業法適応除外に関す

る請願署名(木原稔氏より提出)を持参し、両氏とも懇談して頂きました。他の県選出

国会議員へは、それぞれ帰熊時に、協会との医療問題に関する懇談要請をして参りま

した。

 一区選出の松野頼久氏(民主党)も、熊本比例区選出の木村稔氏(自民党)も、リハ

ビリ日数制限問題・療養病床の問題点にも、丁寧に耳を傾けて頂きました。他に、保険

業法の適応除外の問題、憲法問題、サラ金規制法の問題と内容は多岐にわたりました。

懇談して感じることは、やはり議員は、県民の声が一番大事なのだという事です。今

後も、ことある毎に、署名運動や議員への直接のアクションを行っていく予定ですが、

その時に署名がどれだけあるのかは、とても力になると感じましたので、リハは整形

外科や脳外科のことと思わず、すべてを一体と感じて、今後も是非協力して頂きたい

ものだと思います。

 また、議員との懇談の合間に2時間ほど時間が取れ、丁度参議院厚生労働委員会が

あっておりましたので、傍聴券を求め行って参りました。国会というと、TV中継を見

ていても、十両の相撲と同じで、眠たくて仕方がなくなるのですが、今回は、丁度自分

たちの関心のある、リハ問題・療養病床の問題・医療費定額制の問題などを、野党民主

党で、医師の櫻井 充氏と辻 氏が質問し、柳澤大臣が答弁する所を傍聴することが

出来ました。櫻井氏は、民主党の中でも論客であると松野氏から聞いておりましたが、

お二方ともなかなかの論客で、新任大臣もしばしば返答に窮する場面も見られました。

野党は真剣に質問しているのに、与党側席は緊張感が見られない態度であるというの

が印象でした。また、一番目立ったのは、中央にいる速記者でした。4名の速記者が、

対角線上に、10分毎に2名ずつ交代し、我々がいた2時間の間に誰一人として同じ人

が入って来なかったのにはびっくり致しました。一体、国会にはどの位の速記者が国家

公務員としているのか、そう考えるだけで、この金のかかった国会にもっと国民は関

心を持たなければならないと感じたことでした。

国会会期中に、上京された折りには、時間が空かれたら、一度国会傍聴をされるのも、

下手な観光地巡りより面白いものです。是非お勧め致します。

 

熊本保険医新聞2006.12.5号