医療法人ウッドメッド会 森永上野 胃・腸・肛門科

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保団連代議員会質問(医療改革) ジェネリック推進運動への疑問点

2003.06.17

 保団連が、現状の中で国民医療費の中の薬剤費を抑制し、その差額を医療の質の向上につなげる原資としようとする考えは妥当だと思われます。また、製薬大メーカー優遇に反発する気持ちも理解が出来ますが、だからといってジェネリック推進へ運動されていることに疑問を抱いております。

 本当に同種同等効果の薬品であるのか、供給の安定性は、商品情報は豊富であるのか、などいずれも、本年5/26日付けの、45ページに渡る日医総研「後発品(ジェネリック医薬品)についての基礎研究」を読んでみても、疑問点は深まるばかりです。

 ジェネリックを育成するかの運動より、むしろ、薬剤費を抑制するために改善されるべきは、先発大メーカーへの天下りを止めさせること。ひいては諸外国に比し、低い医療費であるにもかかわらず、その中で異常に高い先発薬価を改善させることではないでしょうか。

 特許切れの薬も、今まで先発メーカーは利益を上げているわけですし、生産ラインも改造する必要もなく、ジェネリックメーカーに食われる位なら、ジェネリック並に、特許切れ後は薬価を下げさせることも可能ではないのでしょうか。

 また、現在の不透明な認可や薬価の決定の仕組みを解明し、会員・国民に知らしめることではないかと考えます。

 最近発表された先発メーカーの決算を見ても、他業種に比し、薬価に守られた大手製薬メーカーが、何と利益を出していることでしょう。

 ジェネリックメーカーが、有病者を使った無作為化比較対照試験を行って、同種同等性を示せば、同じ土俵で販売しても良いわけですが、まだ、諸外国のジェネリックと我が国におけるジェネリックは、異質なものではないのでしょうか。

 日本のオレンジページ(医療用医薬品品質情報集)も、米国のそれとは、似て非なるものとも思います。

 日医総研の発表した基礎研究と比較した、保団連の見解をお聞かせ下さい。

参照:1.日医総研ワーキングペーパー
      「後発品(ジェネリック医薬品)についての基礎研究」

   2.月刊保団連
      「ジェネリック医薬品活用のために」