医療法人ウッドメッド会 森永上野 胃・腸・肛門科

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保団連夏期セミナーに参加して

2002.08.05

 さる7月13日~14日の二日間に渡って、東京にて保団連夏期セミナーが開催されました。

常任理事1年生の私も勉強の機会を頂きましたので、ご報告させて頂きます。

13日は、夕方より基調講演と記念講演がありました。翌14日は、午前は5つの分科会と3つの特別講演、午後は公開シンポジウム「医療のIT化をどう捉えるか」というテーマで、5人の先生と会場で活発に討論が行われました。特に、私は分科会3の「保険者機能の強化」について、少しご報告致します。

 講師は、社会保険支払基金労働組合の中央執行委員の橋本 巌氏で、かなり目から鱗の話を聞くことが出来ました。特に、私達は支払基金と聞くと、査定機関の印象を強く持ちますが、本来は保険者と医療機関の間にあって中立な立場であり、円滑な支払い業務を行うのが第一の目的ですので、保険者機能が強化され、保険者と医療機関が独自に契約を交わすような事態になると、支払いが遅れたり、額面通りに支払って頂けない事も考えられ、今の支払基金を大事に使い、且つ保険者側にシフトしつつある状態を中立の立場へ持っていく必要性を感じました。

 再審査に関して言いますと、医療機関からの基金への再審査請求が65万件/年に対して、保険者側からの再審査請求は何と1600万件もあると言うことでしたし、益々保険者よりに経済査定をする傾向にあり、基金の事務官も内部では、査定額の競争をさせられ個人の評価の基準になっているという現実もあるそうです。私達は、間違った治療ではないと思うものについては、例え少額でもどんどん再審査請求をすること。とくに熊本県でどのくらい実行されているかは未確定ですが、基金の査定医師への面談をお願いすることも良い手段であるとの意見でした。これらを皆さんが実行され、少なくとも熊本の基金の姿勢制御が行なわれるようにしたいものです。新潟では、従来医療機関への返戻は8項目にわけた記号でしか回答されませんが、その回答が丁寧になったとの事例もあるようです。ちなみに、保険者への返戻の回答は、何と26項目の細部にわたっているということです。愕然ですね。

熊本保険医新聞8月号